2019/04/22
──では、今作『パノラマ街道まっしぐら』制作の思い出を教えてください。
姫乃たま 最初から最後までいろいろあったんですけど……、制作陣の方とここまで相談しながら作るのは初めてでした。これまではレーベル側に全部おまかせして気づいたらできてた、みたいな形で制作していたので、誰に作曲して欲しいとか……実際に長谷川白紙さんにはお会いして、カウンセリングみたいなことをしていただいて。曲のメソッドから歌詞の内容まで一緒に決めていくという制作方法をとったので、楽しかったです。
──バラエティに富んだ曲にしっかりハマっている歌詞に感服したんですが、作詞に困った曲はありましたか?
姫乃たま 圧倒的にタイトルトラックが大変でした(苦笑)。一番最初に曲をもらって、一番最後まで、レコーディングの前日まで終わらなかったです。別にサボってた、とかではないんですけど。何カ月も頭の隅で考えていて、困ったなあと思って。
タイトル曲をお願いするなら直枝(政広)さんが良いなというところまではあって、曲があがってきて、ああすごい良い曲だなあと気持ちは盛り上がったんですけど、それから先が……。気合が入り過ぎちゃったなあというのもあったと思うんですけど、時間をかけたから良くなるというものでもないので、まさにそれをやってしまったという感じですね。でも良い歌詞になりました。
──そのタイトル「パノラマ街道まっしぐら」はどこで思いついたの?
姫乃たま 10年間、地下アイドルをいつか辞めるだろうなあというよりいつ辞めるかなあという感じで活動してきて、去年の夏頃に「あ、ちゃんと辞めたいな」と思うようになって、4月30日の会場(渋谷区文化総合センター大和田)を下見に行って、押さえようとしているときに、あまりに会場が広くて、借りようか悩んでしまって受付で申請書を書くのをためらって関係ないことを考えていたらフッと降りてきて。最初はよし思いついたぞ、というより、なんか忘れていた言葉を思い出したのかと思ったんですよ。でも、インターネットで検索しても出てこなくて。それで使いました。
──ラストの「まだ」も"締め"にふさわしい曲だと思いましたが、カバーは制作当初から考えていたんですか?
姫乃たま かなり後半で決めました。曲調がバラバラなので、どこで統一性を図るかが難しかったんですけど、「私が地下アイドルを卒業して、先に進みましょう」というアルバムのテーマに、「まだ」の歌詞の内容、曲調が合うんじゃないかという話になって。
「まだ」は、4曲目の作曲をしてくださった佐藤あんこさんもご自身のライブでカバーされたり、レコーディングには参加してないんですけど、スカートの澤部さんもライブでカバーされていて、みんな大好きな名曲なので、歌えてすごく嬉しかったです。小川美潮さんはもちろん大好きで、ライブも拝見していたので、まだプレッシャーがあります……!
──地下アイドルを辞めた後の肩書は決まりました?
姫乃たま まだ決めてないです。近田春夫さんにも決めた方が良いよと言われたんですけど……。地下アイドルのカテゴリーから外れてきてしまったので卒業を決めたんですが、もともと無理矢理名乗っていただけで、音楽性とか活動の実態がアイドルっぽいかと言われると、すでに微妙なんですよね。安易に考えたらライターになるんでしょうけど、うーん………笑。一言で説明できないものが面白いと思っているので、ここからまた試行錯誤しつつ、しっくりくるものがあれば使おうかなと思います。
PRESENT☆