応募総数10315通からのファイナリスト12名が演技・特技を披露
木村佳乃、成宮寛貴、佐々木希、杏、松坂桃李、菅田将暉らの所属するトップコートが創立20周年を記念して開催した全国オーディション「トップコート20thスターオーディション」。グランプリ賞金100万円と映画出演、男性には「FINEBOYS賞」、女性には「with賞」として各誌で1年間の専属モデル、各賞受賞者はトップコートへの所属という特典が用意された。
全国1万315通の応募から書類審査、札幌・東京・大阪・福岡での各地区審査を通過したファイナリストは12名。招待されたメディア・制作関係者の前で自己紹介~演技~特技披露という最終審査に挑んだ。
審査員を務めたのは演出家の宮本亜門氏はじめ、日之出出版「FNEBOYS編集長」吉田利也氏、講談社「with」編集長神保純子氏、日活・映画プロデューサー石田雄治氏、電通・映画プロデューサー谷澤伸幸氏、トップコート代表・渡辺万友美氏の6氏。佐々木希、松坂桃李もコメンテーター、スペシャルプレゼンターとして参加した。
事前に若手映画監督による「ショートムービー(プロモーションムービー)」の製作・公開も話題を呼んだ今回のオーディション。「清潔感、品性、個性を兼ね備えた人」という明確な審査基準のもと、グランプリに輝いたのは18歳の大学生・小林京香さん。「FINEBOYS賞」は馬場貴志さん(21歳)、「with賞」は山崎あみさん(17歳)、また急きょ設けられた審査員特別賞が飯作雄太郎さんに贈られた。小林さんは水上京香として芸能活動をスタート。「行列のできる法律相談所」に登場したほか、1月からドラマ「学校のカイダン」に草刈有紀役で出演している。
※受賞者の年齢は受賞時のもの
山崎さんの特技はニワトリほか「も
のまね」
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飯作さんの特技は幼稚園から続け
ているという「空手」
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演出家・宮本亜門氏が「難しい課題」と言った演技審査の内容は…
今回のオーディションで最大のポイントとなった演技審査。内容は「人に宛てた手紙の中身をせりふとして披露する」というものだった。衣装にピンマイクの装着は確認できず、地声によるもの。
果たして実際にはどのようなせりふだったのか。当日のデータを編集部で文字に起こしたものを紹介する。
※漢字・仮名づかいは編集部の判断によるもの。また聞き書きのため、実際の台本の完璧な再現とは異なります。
恋人への手紙☆
エントリーNo.1~No.3=ハイティーン女子編
しんたろうさんへ
お手紙ありがとう。
おかげさまで父の容態も回復しており、私も一度東京へ戻って仕事を再開できそうです。
知っているかとは思いますが、父はあの性格ですから、私のことを見てもうんともすんとも言わないのです。つい、ムキになってしまいます。
母曰く、あれはあれで喜んでいるのだそうです。
そんな父でも従業員の皆さんには慕われているようで、毎日、誰かしらお見舞いにいらしてくださっていて、私の顔を見ては、「大きくなったね!」と驚かれます。
実は、まだ、しんたろうさんとの結婚のことは話しておらず、落ち着いたら、ふたりで報告できれば、と思っています。
それでは、東京でまた。
(自分の名前)より。
転校した友達への手紙☆
エントリーNo.4~No.7=ローティーン女子編
みっちゃんへ
久しぶり。転校した中学校はどうですか?
新しい友達はできましたか?
写真、送ってくれてありがとう。早速、全部飾ってるよ。
それにしてもあんな昔の写真、よく撮ってあったよね。
あの頃の自分って、あんなに髪が長かったんだね。
ほかにも、いろいろ思い出しちゃって、うわーってなったよ。
こっちで最近変わったことと言えば、駅前に新しいクレープ屋さんができたこと。
けっこう人気あるみたい。
でもクレープ屋なのにカレーパンもあって、実はそっちのほうががおいしかったりするんだって。
それから、私はまたテニスを始めました。やっぱり体を動かしてないとだめかも、って思ったんだ。
もし、県大会に行けたらライバル同士だね。
こっちに帰ってきたら、絶対連絡ちょうだいね。
(自分の名前)より。
高校時代の恩師への手紙☆
エントリーNo.8~No.12=男子編
先生、お久しぶりです。
手紙の返事を頂けるとは思っていなかったので、大変嬉しいです。
ご存知の通り、今は、東京の大学で英文学を専攻しています。
それもこれも、高校での先生の授業が人生を変えたと言っても過言ではありません。
頂いた本、今も大切にしています。
それから、先生が若かりし頃、東京に住んでいらしたとは、知りませんでした。
同じ街に暮らしているかと思うと、とても不思議な気持ちになります。
手紙に書いてあった喫茶店も見つけました。
路地裏にあって、一見喫茶店には見えないのですが、おっしゃっていた通り、マスターは渋いダンディな方でした。
先生のことを話したら、覚えていらっしゃいましたよ。
では。
体にお気をつけて。
(自分の名前をフルネーム)より。
パフォーマンスの感想を求められた演出家の宮本亜門さんは、
「難しい課題ですね。これは。誰かが書いた手紙ではありますが、自分が考え、そのときに思いついたことを言葉にしていくという作業ですよね。その手紙を、ただ立って朗読ではなく、それを本人のからだで読みながら観客に自然に伝えていく…何段階も演技の難しさを要求する課題だったと思います」
とコメントしていた。
女優・俳優志望者は、一度、実際にせりふを読んでみることをお勧めしたい。